本章を終えると、以下のことができるようになる。
- いす形および舟形シクロヘキサンの分子模型を正しくつくり、ブタン・ゴーシュ相互作用に基づいて両者の安定性を比較する。
- いす形シクロヘキサンの反転と、それに伴うアキシアルーエカトリアル相互変換を見分ける。
- メチル置換シクロヘキサンの配座解析をエカトリアル配置の安定性と1,3-ジアキシアル相互作用によって説明する。
すべての∠C-C-Cが正四面体角を保つシクロヘキサンにおいては、2つのいす形と2つの舟形の2つの構造をもち、しかも舟形を介して2つのいす形の間の反転が可能であることを学ぶ。重要な天然有機化合物等にはシクロヘキサン環類似構造をとるものが多く、特に重点的に掘り下げる。
シクロヘキサンの立体化学が置換基の導入によって、どのように拡張されるかを、メチルおよびジメチルシクロヘキサンの配座解析を通じて理解する。
本章を終えると、以下のことができるようになる。
以下の用語の半分以上の内容が頭に浮かぶようであれば、直ちに問題に取り組んでよい。
そうでない場合は、身に付いていない用語をクリックして見直してから問題に取り組もう。
シクロアルカン | 環の反転 | アキシアル結合 |
エカトリアル結合 | いす形 | 舟形 |
配座異性体の存在比 | シス・トランス異性(環状化合物) | 1,3-ジアキシアル相互作用 |
いす形シクロヘキサンのC1およびC3(または同等の関係にある2個の炭素原子)上のアキシアル置換基の間の立体反発。