この章ではジクロロエチレン、フマル酸とマイレン酸を例にして、二重結合まわりの回転が束縛されているため(エネルギー障壁が高いため)、幾何異性シス、トランス異性が起こることを学ぶ。
シス・トランスの別があいまいな複雑な化合物に対して適用できるZ、E表示についても学ぶ。
さらに進んだ考え方として、これまで幾何異性と配座異性の関係は、二重結合のまわりの回転と、単結合のまわりの回転との関係とみなされてきたが、むしろ回転の障壁の大きさに関連づけられるべきであることを学ぶ。
ジエン類におけるs-トランスおよびs-シス異性についても学ぶ。